こちらはプライベートヘアサロンのためにデザインしたカットチェアとテーブルのセットです。
おもてなしをするためのオリジナル家具の制作がどんな感じですすむかというと…
まずはおおよそのデザイン(この過程もまぁまぁ重要で大変ですが、今回はズバッと割愛します)が決まれば、モックアップという原寸大の模型でサイズを検討します。
家具工場でオーナー自らに体験していただいたり、女性スタッフの意見を聞いたり。そうして座り心地の確認だったり、ヘアカットしやすい高さだったり、もろもろの作業の妨げにならないかなど、オーナーが思い描く空間を演出するための細かな打合せを重ねます。
それから同時に進めている内装工事の目処がたてば、現場へ持ち込み違和感がないかチェック。これまたオリジナルの鏡を組み合わせて座面高などを改めて再確認します。
カットサロンに適した椅子とはなんぞや?と皆で意見交換しながら、カットした髪の毛が溜まりにくいような入隅の処理や、手に触れる場所は感触を重視した面取りにするなど、ディティールを掘り下げ決定していきます。あくまで機能や効率を落とすことなく。
そんな過程を経て、一脚の椅子と一台のテーブルが仕上がります。
プライベートサロンという性質上、僕たち作り手がお客様に直接お会いすることは少ないけれど『なんかゆっくりできてるかも…』とか『なんかこの部分の触り心地がいいからずっと触ってしまうやん』とか思っていただけたら、それは僕らの思う壺なんです。